そこにストーリーはある?

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シンガポール航空で働いていた時、

透き通る様な、お肌がツルツルで綺麗な子がいました。

なんとその人は、男性クルー。

雰囲気というか、何かオーラがあるのです。

「どうしてそんなにお肌がきれいなの?」

と、色々秘訣を聞いてみると、

CAの仕事は、副業的なものであって

本業は

「メイクアップアーティスト」

という事が分かりました。

(気になると、根掘り葉掘り聞いてしまう性格なもので…)

後で知った事ですが、

実は、パリコレでメイクアップをしている程の腕前。

なるほど、納得です。

私はその彼にとても興味を持って、

「是非メイクを教えてもらいたい!」

と、お願いをしました。

(↑図々しいにも程がある)

そして、オフの日に彼のお家へ行ってみると

いろんな絵が飾られていたり、

メイクアップ用品が、きれいに整えられ並んでいました。

まさに、『アーティスト』

そんな感じの、センスのいい部屋でした。

そして何より驚いたのが、Tシャツ姿の彼は、きちんと体を鍛えた細マッチョだった事です!

(↑そこかーい!)

制服姿からは、想像出来ませんでした。

長袖、長ズボンですから…

自分のメイク道具も持ってくるように、と言われたので持参しました。

するとまず一番初めに、

「このファンデーションのパフはいつ洗ったの?」

と聞かれました。

3、4日に一度は洗っている、と答えましたが、

「それでは全然ダメ!」

(≧◇≦)乂ダメダメッ!

と、叱られました。

「道具は、使う度に清潔にしなくてはいけません」と。

そして、アイシャドウに付いている、付属の小さな筆を使っていた事もダメ出しされました。

「まず、道具からしっかり揃える必要がある」と。

道具に心を込めて、きちんとお手入れしてこそメイクが出来る

と言う事を、初めに教わりました。

そして、順番にファンデーションの塗り方や、アイシャドウの置き方などを習いました。

私が、何気なく「きれいな色だな」と思ってアイシャドウを乗せてみると、

「ちほ、どんなストーリーを描いてそのアイシャドウを乗せたの?」

と聞かれました。

私は、正直に

「色がキレイだったから」

と、伝えました。

「それじゃ、全然ダメ!!」

(≧◇≦)乂ダメダメッ!

「自分が伝えたいストーリーを、メイクに込めなくちゃ!」

目から鱗でした。

(ストーリー?!)

(メイクは自分を美しくする為だけのものじゃないんだ…)

先生は、ライン一つ引くにしても

アイシャドウの色を重ねる事も

骨格に合わせながら、チークを乗せていく事も

全て、自分がどんなストーリーを思い描いているかにこだわっていました

「どうしてこの色にしたの?」

と、聞けば、

「春の日に、蝶々が花の上をひらひら舞っている様子」

と、具体的に説明してくれました。

「だから、チークは薄いピンクに少しだけ黄色を混ぜて、ここに乗せているの」

先生がメイクをする度に、物語のページをめくる様です。

こちらまでワクワク楽しくなるのです。

次はどんなお話なんだろう…って。

普段メイクする時には、そんな事、考えたこともありませんでした。

「きれいになりたい」

「仕事だから」

「スッピンじゃ、ちょっと…」

そんな感覚でした。

先生は、メイクに対する心意気と、感性が違いました。

テクニックも必要だけど、それ以上に大切なのはイマジネーション。

いかに自分らしく、ストーリーを展開していくか。

これは、メイクに限らず、ファッション、生活自体もそうだと教えてくれました。

そして、

「常に美しい物に接している様に」

と、言われました。

先生は、あらゆるものに対する美意識が高いのです。

制服のYシャツにも、シワ・シミひとつありませんでした。

そして、細マッチョ…

(↑やっぱそこ?)

先生は男性ですが、凛とした美しさがありました。

美しい人にはオーラがあります。

そのオーラには、確固たる自分を持った強さが秘められていました。

私は初めて会った時、お肌の美しさ以上に、そこに惹かれたのだ気づきました。

世界を見る為にクルーになって、行く先々の多種多様な文化に触れ、感性を磨いていたのだと思います。

先生は、特に日本が大好きでした。

最後のメイクレッスンで、先生が使っていたメイク筆を頂きました。

15年経った今でも、大切に使っています。

適当にメイクをしそうになると、

「そんなんじゃダメ!そこにはどんなストーリーがあるの?」

と、先生の声が聞こえてきそうです。

メイク、ファッションは

頭で理解するのではなく

心で感じるもの。

理解しようとすると、???になります

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顔はキャンパス

心に浮かぶ、自分だけのストーリーを

自由に描いてみよう。

今日も読んで下さり、ありがとうございました。